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【女子バスケ】アジア制覇の要因と未来に向けた3つのキーワード (2ページ目)

  • 小永吉陽子●文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

「残り時間と相手のファウル数を考えて、最悪でもファウルをもらおうと思った。タク(渡嘉敷)がリバウンドを取ってくれるから安心して攻めに行けた」とドライブインにいった大神だが、これはブロックされてしまう。しかしラスト9秒の攻めで「シンさん(大神)が攻めたのを見て、次は自分がいかなきゃ」とゴールに向かった渡嘉敷がファウルをもらう。ここで得たフリースローを2投を決め、延長に持ち込んだ末に78-71で勝利した。

 司令塔の吉田亜沙美は、この韓国戦では最後まで攻めたこともさることながら、粘って延長に持ち込んだことが収穫だと勝因を語っている。

「自分たちのオフェンスがダメだったときに、ディフェンスを頑張ろうという我慢ができた試合だった。ディフェンスで我慢して粘っていれば、シンさんやタクが攻めたように、オフェンスの流れがくることをみんなが知ることができたゲームたった。この勝利で何か吹っ切れたものがあって、チームの気持ちがグッとひとつになったんです」

キーワード②乗り越えた"あと一歩"の壁――永遠のテーマだった「高さ」

 これまでの日本は、どんなに身体を張って守っても、どんなにスピードで引っ掻き回しても、最後は高さの前に涙を飲んできた。それが、足のケガから復帰した192cmの渡嘉敷来夢が加入したことによって制空権を手に入れた。長身者の揃(そろ)う中国に対し、ゴール近辺、ペイント内での得点が日本46点、中国22点という数字は、これまでの戦いからは考えられない支配率である。

 渡嘉敷のいちばんの貢献は、リバウンドに跳び続けていたことだ。そして渡嘉敷の加入によって、身体の強さとポジション取りがうまい対角センター、184cmの間宮佑圭も連動した。また、189cmの王 新朝喜(おう あさこ)がインサイドの控えとしてつないだのも大きい。これまでにない3人のインサイドによってマークが分散され、アウトサイドとの連携も生き、走り込んでチャンスを作った宮元美智子の効果的な3ポイントへとつながったのだ。

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