【女子バスケ】アジア制覇の要因と未来に向けた3つのキーワード (3ページ目)
しかし高さといっても、日本の場合、190cm台は渡嘉敷一枚にすぎない。そこで、日本の特長になるのが、高さに機動力がプラスされた部分だ。これは新しい武器である。
「今大会はすごく落ち着いてできました。自分では、去年の最終予選で手応えをつかめた経験がつながっていると思います。相手に前から守られても、予選ラウンドから対処してきたので、そういう意味でも決勝では準備ができていました。試合をするごとに、タクといろんなポストプレイが成功して、やっていて楽しかったです」(間宮)
キーワード③壁を乗り越えた先にある日本の新たな可能性
日本は渡嘉敷の躍進と脚を動かし続けたディフェンスで43年ぶりの優勝をもぎ取った。では、今回の優勝は中国と韓国の低迷によるものだったのかといえば、決してそうではない。日本だって、昨年のオリンピック最終予選から半数が変わったキャリアの浅いチーム。成長の最中でつかんだ優勝は、これからさらに飛躍する可能性を感じさせた。
「まだまだ未完成のチームだけど、今回優勝したことで、今度はプレイの精度を高める課題へとステップアップしていける。来年の世界選手権はこのメンバーに加え、ケガから復帰する高田真希や長岡萌映子らがメンバー争いをしてくれるだろうし、アンダーカテゴリーで中国や韓国に勝っている若い世代があとに続く。今回の優勝を契機に、リオデジャネイロと東京へ、何としてもつなげていかなくてはならない」(内海HC)
「“自分がやらなきゃ”という責任感とプライドが出てきた大会でした。自分はまだまだやれると思っています。今は早く世界に挑戦してみたい気持ちでいっぱいです。そりゃ東京も出たいですけど、オリンピックというのは自分たちの力で切符を勝ち取るものじゃないですか。だから、目標はリオデジャネイロ。ここがリオへのスタートラインだと思っています」(渡嘉敷)
壁を乗り越えた先には一段高い目標が待ち受ける。今回の優勝によって、来年の世界選手権をステップと考え、さらにその先のリオや東京まで、階段を上り続けるという明確な目標へと変わった。
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