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【NBA】デニス・ロッドマン「俺たちのブルズと今のヒート? 話にならないぜ」 (2ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro TOBI●撮影 photo by TOBI

バスケへの強い愛情を語るロッドマン。見た目とは対照的にバスケへの想いは真面目だバスケへの強い愛情を語るロッドマン。見た目とは対照的にバスケへの想いは真面目だ――1980年代や1990年代のNBAと、現在のNBAの一番の違いはどこだと思いますか?

ロッドマン 一番の違いは、フィジカルだ。あのころは、バスケットの本質がより問われていた時代だった。相手との身体のぶつかり合いの中で、俺の闘争心も強くなっていった。押す、ぶつかる......、その痛みと苦痛が、俺の仕事だと強く思えた。

――あなたの奇抜な髪型や言動は、常に注目を浴びました。しかし、一度コートに立てば、リバウンド、ディフェンスというダーティーワークをいとわなかったのはなぜですか?

ロッドマン ダーティーワーク? 仕事に奇麗も、汚いもない。あるのは、与えられた仕事をやるか、やらないかだけだ。俺はスラムで生まれ、ガキのころから働いてきた。修理工場でオイルにまみれ、エンジンを直した。農場で3年間、働いたこともある。どんなに寒くても朝5時半には起床し、牛にエサをやった。エンジンが動くようになること、牛がちゃんと育つこと――そこに達成感を感じたし、誇りだった。ヘッドコーチに、「リバウンドを取ってこい!」と言われたから、相手が大きかろうが、強かろうが、己の仕事をこなしただけだ。

――なるほど。

ロッドマン 与えられた仕事を懸命にやる。そして報酬を手にする。しかも、棚ぼたでもらった仕事ではない。自力で掴んだ仕事だ。命がけでやらずしてどうする? レブロン、(デリック・)ローズ、(ケビン・)デュラント、今のNBAにも才能あふれる素晴らしい選手はいる。だが、多くの若い選手は勘違いしているんじゃないか? 才能はあっても、富や名声に心を奪われがちだ。大型契約を結んだ直後、活躍できなくなる選手が多いのが、残念でならない。ファンは、ちゃんと仕事をするアスリートが好きだろう? 選手は富や名声のためじゃなく、やるべき仕事をするべきだ。

――つまり、やるべき仕事をする選手が集まったから、あのころのブルズは強かったということですか?

ロッドマン まさに、そうだ。マイケルやピッペンだけじゃない。スティーブ(・カー)、ルーク(・ロングリー)、誰もがあのチームでプレイするのが好きだった。彼らや俺は、たいしたキャリアもなければ、大学時代、スター選手でもなかった。だが、自分を信じ、役割を見つけ、それを徹底した。そして生まれたのが、あのチームだ。もはや何物にも代えがたい。

――では現在、あなたのDNAを受け継いでいる選手はいると思いますか? 例えば、クリス・アンダーセン(マイアミ・ヒート)はどうでしょう?

ロッドマン 誰だ、それ? ああ、「バードマン(アンダーセンの愛称)」か。あいつは、なかなかやるな。ここにきて、やっと自分とフィットするチームに巡り会えたということだろう。

――あなたの後継者になり得る選手は?

ロッドマン もうワンランク、ツーランク、レベルアップが必要だが、ケネス・フェリード(デンバー・ナゲッツ)には注目している。今後、大型契約を勝ち取った後にどんなプレイするか、そこまで見届けなくてはいけないけどな。

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