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父と兄は元F1ドライバー、国内トップレーサー・中嶋大祐が突然引退し航空機のパイロットに転身した理由 (3ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 西木 義和●撮影 photo by Nishiki Yoshikazu

【レース経験は無駄にはならない】

ーーレースの世界を離れることに対して、あまり迷いや未練のようなものはなかったということですか?

 うまく説明するのが難しいのですが、もし別の道に進んだとしても、これまでレースで培ったことを全部放り投げることにならないと私は感じていました。これまでの経験が直接、新しい世界で生きるかどうかはわからないですが、無駄にはならないだろうなと。

 自分のなかでレースの延長線上にパイロットになる道もあると思っていましたので、未練とかそういう気持ちはなくて、すごくポジティブなチャレンジができそうだと前向きにとらえていました。

ーー中嶋さんの父や兄はF1ドライバーで、国内外のレースですばらしい成績を残してきました。どうしても周囲は同じように優勝やチャンピオンという結果を求めてしまいます。その期待に応えることができないことに自分自身、葛藤が少なからずありましたか?

 それはありましたね。レースをやっている時は中嶋家のドライバーとしてがんばらなければならないと、今にして思えば少し無理をしていたところがあったのかもしれません。でもドライバーを引退することを決めたのは、パイロットになるという新しいチャレンジをものすごく魅力に感じたからです。それが一番の理由です。

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中編へつづく

<プロフィール>
中嶋大祐 なかじま・だいすけ/1989年1月29日、愛知県生まれ。2004年より全日本カート選手権に参戦し、2006年に鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(現ホンダ・レーシング・スクール鈴鹿)に入校すると、スカラシップを獲得。2007年よりフォーミュラチャレンジ・ジャパンや全日本F3選手権に参戦。2009〜2010年には渡英し、イギリスF3選手権で活躍する。2011年より国内に活動の場を移し、ホンダのワークスドライバーとして国内最高峰のスーパーフォーミュラの前身フォーミュラ・ニッポンやスーパーGTに参戦。2019年シーズン限りでドライバーを引退。2021年に関西空港を本拠とする航空会社Peachにパイロットとして入社。現在は、副操縦士を務める。

著者プロフィール

  • 川原田剛

    川原田剛 (かわらだ・つよし)

    1991年からF1専門誌で編集者として働き始め、その後フリーランスのライターとして独立。一般誌やスポーツ専門誌にモータースポーツの記事を執筆。現在は『週刊プレイボーイ』で連載「堂本光一 コンマ1秒の恍惚」を担当。スポーツ総合雑誌『webスポルティーバ』をはじめ、さまざまな媒体でスポーツやエンターテイメントの世界で活躍する人物のインタビュー記事を手がけている。

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