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【F1】角田裕毅の純粋な速さはレッドブルも高く評価 世間で沸き起こる「ドライバー交代論」など意に介さない (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【カナダGPは新アプローチを採用】

 ひとつ考えられるとすれば、モナコGPの決勝でガスリーに激しく追突されたことくらい。リアタイヤを直撃したために見た目上のダメージは受けなかったものの、モナコの低速域では気づけなかった何らかの異変がモノコックやICE、ギアボックスなどマシンの基本構造をなす部分に及び、走行性能に影響した可能性もある。

 レッドブルといえば、ほかにも参戦初年度(2021年のアルファタウリ)のシーズン前半戦の角田や、昨シーズン序盤戦のダニエル・リカルドなど、原因不明のグリップ不足に苦戦したことも記憶に新しい。

 いずれにしても、チームは3連戦を終えてファクトリーに戻ってくるマシンを徹底的に調査する予定だ。角田もファクトリーでエンジニアたちと気になる点を見直し、次のカナダGPに向けて新たなアプローチを採るつもりだという。

「カナダGPに向けてはいろいろと変える予定なので、そこは希望が持てます。僕がやりたいと提案したことに対して、チームも100パーセント賛同してくれています。来週ファクトリーでやることをすごく楽しみにしています。それが何か変化につながることを願って」

 あまりの衝撃的な結果に世間では、角田の実力を疑う以前にドライバー交代論が直情的に沸き起こってしまっている面もある。だが、当の角田やレッドブル自身は現実を見ている。

 ここ数戦で進んできたマシンへの理解と、着実に縮まっているフェルスタッペンとの差を、次こそはしっかりと結果につなげてもらいたい。

著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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