角田裕毅「間違いなくマシンがどこかおかしい」 嘘のような失速でチームはドツボにハマった (3ページ目)
【4日間でどこまで立て直すことができるか】
リアウイングの仕様が最適でなかったことがこうした事態を招いたのか、それとも今回投入したアップグレードに問題があったのか、それとももっと別の要因か。アップグレード自体はデータ上、想定どおりに機能しているというが、どこかに見落としや使いこなせていない部分はないのか。それとも、FP1でつまずいたことでその後の対応が遅れ、最適なセットアップを見つけきれなかったのか。
「やれるところまでやりたかったんですけど、ペースが全然なかったので......不完全燃焼なのかどうなのかもよくわからないまま、終わってしまいました」
自分の力を出しきることすら叶わないマシンに、角田は唇を噛んだ。
これまで中団トップを走り続けてきただけに、今回の急降下にはチームもショックを隠しきれない。
もちろん、中国GPでも同じような状況に陥り、その次のマイアミGPでは見違えるようなパフォーマンスを発揮したことから、サーキット固有の問題とも考えられる。アップデートすら持ち込んでいないアルピーヌが急に躍進したり、アストンマーティン勢が入賞圏に絡むことすらできなかったり、ウイリアムズはRB以上の低迷を喫したりと、今週末のスペインGPではいつもとは違う何かが起きていた。
昨年サーキットが大幅改修されたことで、これまでとは違う速度域、求められる空力効率点の違いがそうさせているのか、詳しいことはまだわからない。
いずれにしても、ここバルセロナでのアップグレード投入とそれによる躍進をもとに、次のレッドブルリンクで似たような中高速コーナーでの速さを発揮してさらなる躍進を期待していたRBとしては、その目論見が大きく外れたことになる。
インターバルはたったの4日。その間にどう立て直すことができるのか。チームとしての真価が問われる局面がやってきた。
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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