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角田裕毅「間違いなくマシンがどこかおかしい」 嘘のような失速でチームはドツボにハマった (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【マシン固有の問題ではなかった】

 ピットガレージで対策を試みたものの、チームはこの新型リアウイングの使用を断念せざるを得なかった。

 その結果、バルセロナに合ったダウンフォースレベルのリアウイングが手もとになく、バーレーンで使ったMID仕様ではダウンフォースが足りずにリアが不安定になり、モナコで使ったHI仕様ではストレートが遅すぎて勝負にならないという状況に陥った。

 FP2、FP3とそれぞれ試したもののどちらもフィットせず、結局、予選は薄いウイングで臨むことにしたものの、どうにもならなかった。

角田裕毅は「すごく変だった」と振り返る photo by BOOZY角田裕毅は「すごく変だった」と振り返る photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る それだけならば、まだ救いはあった。

 DRSの問題を解消して新型リアウイングを使えるようにすれば、次戦以降は元に戻る。実際のところ、中団トップでダブル入賞を果たしたアルピーヌとは0.3秒差でしかなく、見た目ほど大きな差があったわけではないのだ。

 しかし、問題はそれだけではないかもしれない。

 決勝ではさらに厳しい戦いを強いられ、角田はあまりのリア挙動の悪さに「間違いなくマシンがどこかおかしい」と訴えるほどだった。

 さまざまなセッティング変更をトライしていくうちにドツボにハマってしまったデフのセッティングをリセットしてみたものの、それでも状況は変わらず、問題はもっと別のところにあることがわかっただけだった。

「マシンが完全におかしいとは感じたんですけど、ダニエル(・リカルド)のクルマがどうだったのかはわかりませんし、何が起きていたのかもまったくわかりません。チームからフィードバックを受けて、ステアリング上のスイッチ操作で対応はしたんですけど、完全には直らなかったですね。すごく変でした」

 角田車ほどではなかったものの、リカルド車も同じような方向ではあったという。つまりマシン固有の問題ではなく、今週末のバルセロナに対してRBが用意できた最大限のマシンがこれだったということだ。

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