「速さは予想より差はない」F1ウィリアムズ育成の松井沙麗(13歳)が踏み出した世界への挑戦「ヨーロッパのレースのほうが楽しい」 (2ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

【日本GPで直面した感動とプレッシャー】

ーー沙麗さんは中学2年ですが、学校はどうするのですか?

広史 今、沙麗が通っている学校は課外スポーツ活動に理解があって、イタリアに住んでレースに出ていた3カ月間(1年3学期)を丸々公欠にしてくれました。

 ですがウィリアムズの方と話して、ヨーロッパの学校に入らないとビザが取れないので、1年間ずっとヨーロッパに住んでほしいと言われています。現地での学校選びをしていかなければなりません。

ーー日本の学校の友だちは、沙麗さんがF1チームの育成ドライバーになったということで話題になっていますか?

沙麗 全然です(笑)。日本ではモータースポーツはあまり知られていないなと感じます。学校でもカートをやっていると言っても、「何それ?」と言われます。F1も知らない人ばかりなので、そこから説明しないといけません。

練習の合間、笑顔でインタビューに応じる松井練習の合間、笑顔でインタビューに応じる松井この記事に関連する写真を見る

広史 これが今の日本における現実なのかなあと思います。モータースポーツをわかってくれる人は、すごいと言ってくれるのですが......。

 私たちもあまり実感がなかったのですが、今年のF1の日本GPでパドックに入って、育成プログラムの担当ディレクターと話をする機会がありました。鈴鹿のパドックに入った瞬間、ああ、これはすごい世界に来たんだなあとようやく実感しました。

沙麗 私も同じです。日本GPでF1のパドックに入って、マシン、ドライバー、設備など、見るものすべてがすごかった。いつかここで走りたいと思いましたし、ちゃんと結果を出さなくちゃとプレッシャーも少し感じています。

4月、富士山麓のサーキットで練習に励んでいた4月、富士山麓のサーキットで練習に励んでいたこの記事に関連する写真を見る

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