角田裕毅は「11位の壁」を越えられるか 金曜フリー走行後の夜が今まで以上に重要になってくる (3ページ目)
【11位の壁を越えるために必要なこと】
バーレーンGPではFP2で薄いリアウイングをトライし、それが大失敗したことで、予選・決勝に向けた大正解のセットアップが見えた。そんなプロセスが極めて重要で、金曜フリー走行後の夜が今まで以上に重要になっているのだと角田は言う。
「トップ10に行くのは簡単ではないですし、ここまでタイトな状況だと、細かなセットアップまで詰めていくことがカギになってくるので、すごく重視してやっています。FP1やFP2で14位とか15位にいても、どこが改善できるかということを、僕とエンジニアで夜中に考えて改善して最終的にはまとめきれているので、これからもそこは続けていきたいなと思っています」(角田)
中団グループの5チームにとっては、その最上位に立つことだけでなく、目の前に立ちはだかる"11位の壁"を越えることが重要になってくる。
ただ、中団グループ最上位なら11位。上位の自滅であれ、実力であれ、上位5チームのうち少なくとも1台を喰わなければ、その壁を越えて入賞圏に辿り着くことはできないのだ。
「レースでペースが悪かったり戦略をうまく決められないとポジションを落としてしまいますし、中団グループで入賞できるチャンスは多くても1、2台しかないので簡単ではないですけど、そこを目指していきたいと思っています。
僕らとしても戦略の質を上げる必要がありますし、そういった面も含めてレースをまとめきることが最大のキーポイントだと思うので、そこを重視しています。僕らの戦い方としてはこれまでと変わらず、クオリティを追求して改善していきたいと思っています」(角田)
今すぐにマシン開発が進むわけではないだけに、ドライビング、セットアップ、戦略──あらゆる面においてクオリティを最大限に高めなければ、"11位の壁"を越えることはできない。
苦しいなかでいかにクオリティを追求できるか。それは、自分を磨くための試練でもあり、チャンスでもある。
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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