角田裕毅が2度目の日本GPで初の入賞を狙う 鈴鹿サーキット攻略のカギは新型リアウィング (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【自分のミスと認め、弱さと向き合えるようになってきた】

 ターン5のかなりインに飛び込んでこられたため、ミラーには映らない死角だった。

 しかし、それもターン3を立ち上がってターン5のブレーキングに入る前にミラーをチェックしていれば、ペレスがあのように動いてインに飛び込んでくる可能性を予測することはできたはずだった。

「けっこう内側から来たので(死角だった)。でも、その前にミラーを見ていればある程度(ペレスの動きや位置は)予測できたと思います。そこも次への改善点として捉えています」

 レース直後は「意味がわからない」と非難していた角田だが、相手に非があろうと結果的にレースを失ったことに違いなく、自分自身とチームの利益を考えれば、相手の無謀な動きを察知してそれに巻き込まれないドライビングが必要であること、それが可能なシチュエーションであったことを見詰め直した。

 相手の非を責めるのではなく、自分が改善できる点はないか──。

 そこに目を向けることができるドライバーでなければ、成長することはできない。逆に言えば、これはトップドライバーたちがみな、実践している思考方法であり、だからこそ、彼らは常に成長を続けられるのだ。

 シーズン後半戦に入ってから、角田は自分のミスは自分のミスと認め、弱さと向き合えるようになってきた。それによって強くなってきた。

 その角田裕毅の凱旋だ。

 シンガポールで投入された今季第3弾のフロアとサイドポッドが、鈴鹿でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、期待がかかる。

「クルマがどのくらいいいパフォーマンスをするのか、そこはまだ正直わかりません。シンガポールは低速コーナーばかりで、空力での戦いではないのでまだハッキリとはわかりませんし、今回はそういう評価をするためのグランプリですね」

 シンガポールでの好走は、同時に投入したダンパーの効果ではないかと角田は見る。

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