角田裕毅が2度目の日本GPで初の入賞を狙う 鈴鹿サーキット攻略のカギは新型リアウィング (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【最大のライバルは現在ランキング7位のウイリアムズ】

 チームの技術陣は手応えを感じている。テクニカルディレクターのジョディ・エギントンはこう語る。

「最大の焦点はダウンフォースだが、それと同時に我々の弱点であったコーナー進入時のスタビリティ向上にも取り組んでおり、その点でもしっかりと改善が確認できている。シンガポールではハイダウンフォースのリアウイングを装着しているが、日本GPでは新型リアウイングを投入するし、それもこの新型パッケージと一体となったものだ。

 だから鈴鹿では、シンガポールよりも一般的なサーキットでのダウンフォースレベルにおいても前進が果たせると自信を持っているよ」

 角田自身もシミュレーターでは好感触を得たという。シンガポールではそのシミュレーターの感触どおりに大きなゲインがあった。

「乗っている感じは悪くなかったと思います。もちろんそのフィーリングと実際にタイムが出るかどうかは別なんですけど、乗っていて走りやすいなというのは感じました。僕が乗りやすくても前に進むクルマとそうじゃないクルマがありますけど、期待はしています」

 チームとしては、シーズン中盤のアップデートで躍進し現在ランキング7位のウイリアムズと戦うことをターゲットとしている。

 アルファロメオやハースとの争いから抜け出し、ウイリアムズやアルピーヌを打ち負かさなければ入賞は見えてこない。それでも上位5チーム10台が順当に完走すれば入賞はできない。それが今のF1だ。

 トラックサイドエンジニアリング責任者のジョナサン・エドルスも、「2台揃ってQ3に進出するのは難しいだろうけど、もちろんトライする。コーナー進入時のスタビリティ向上は、シンガポールよりも鈴鹿のようなサーキットのほうがより高い効果を発揮するはずだから、好パフォーマンスを期待しているよ」と語っている。

 角田自身は、Q3進出と入賞を目標として掲げている。

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