角田裕毅、次戦に自信。レッドブルの重鎮からの「金言」を胸に刻んだ (3ページ目)
フランスGPの舞台となるポール・リカール・サーキットは、2018年に復活してからの2回ともメルセデスAMGが圧倒的な強さを見せてきた。バルセロナ・カタルーニャ・サーキットと同様、ありとあらゆるタイプのコーナーが存在し、長いストレートもある。テストコースとして整備されたサーキットだけに、マシンの総合力が問われる。
しかし、バクーの長いストレートで、今年のレッドブル・ホンダは強力なパワーユニット性能を見せた。MGU-H(※)からのエネルギー回生をとぎれさせず、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンにオーバーテイクを仕掛けさせなかった。
※MGU-H=Motor Generator Unit-Heatの略。排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。
それだけのパワフルさがあれば、これまでレッドブルがポール・リカールで苦労してきたストレートとコーナーのバランスは大幅に改善される可能性が高い。
「過去数年間、メルセデスAMGのクルマはこのサーキットでとても強かったので、それが突然変わるとは思わないよ。直近の2戦はタイヤのウォームアップに苦しんでいたようだけど、普通のサーキットでそれは問題にならないだろうから、彼らが本来の速さを発揮できることは間違いないだろう。
でも、僕らも去年までのクルマよりいい。これまでポール・リカールは僕らにとって最高のサーキットとは言えなかったけど、今年はもっといい走りができると願っている。今週末は楽しみにしているよ」
マックス・フェルスタッペンはすでに選手権争いを考えてシーズンを見通し、ひとつひとつのレースを丁寧に戦おうとしている。そういう意味では、バクーでセルジオ・ペレスが勝利を挙げたように、レッドブル・ホンダが2台で戦えることは極めて大きい。
苦手のポール・リカールで、どこまでメルセデスAMGを追い詰めることができるのか。それは、これから先のシーズンを占う重要な分水嶺になりそうだ。
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