レッドブル・ホンダ、弱点ばかりを露呈。すべての点が中途半端だった
「今日はこれが、僕らにできる最大限の結果だったと思う。もし仮に4番グリッドからスタートしていたとしても、5位という結果は同じだったと思うよ」
F1第7戦・カナダGP決勝を5位で終えたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は、こうなることはわかっていたという表情で、淡々とそう語った。
フェルスタッペンは5位という結果を淡々と振り返った 予選Q2で敗退し、9番グリッドからのスタートを強いられたのは、ミディアムタイヤでQ2を通過しようという戦略がリスキーだったこと、そしてトラフィックの影響で十分なタイムを記録できず、ソフトを履いてもう一度アタックに出なければならなかったこと、さらにはセッション終了直前まで待ったがゆえに、前走車のクラッシュで赤旗終了となってタイムを更新できなかったこと――によるものだった。
つまりは、戦略ミスだ。
しかし、ソフトタイヤでタイムを記録してQ3に進出し、4番グリッドを取っていたとしても、5位に終わっただろうとフェルスタッペンは言った。
10周も保たずタレるソフトタイヤでスタートすれば、レース序盤にピットインを強いられ、後方集団のなかで走ることになる。そうすれば、上位勢との差は広がるばかりだったはずだ。
もしミディアムタイヤでスタートしていても、結果は同じだっただろうとフェルスタッペンは言う。それだけ、メルセデスAMGおよびフェラーリとの差は明らかだった。
予選では、とくにセクター3の遅さが目立った。
長いバックストレートと低速のヘアピン、中高速の最終シケインだけで構成されるシンプルな29秒弱のセクターで、フェラーリに対して0.5秒の後れを取った。つまり、1.7%もの差だ。全体のラップタイムでは1.19%の差であったことを考えれば、明らかにセクター3が遅く、カナダGPでレッドブル・ホンダが低迷してしまった理由はそこにあった。
では、どうしてセクター3で遅かったのか?
当然、フェラーリやメルセデスAMGに比べてパワーで劣っていることが、ストレートでの不利につながっている。ルノー勢が揃ってセクター3で好タイムを記録してQ3に進出してきたことも含め、ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。
1 / 4