レッドブル・ホンダ、弱点ばかりを露呈。すべての点が中途半端だった (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「フェラーリとメルセデスAMGに対して、明らかにパワーで負けていると思っています。ルノーに対しても、勝っているとは思っていません。フェラーリと比べてピークのストレートスピードは遅いですが、問題はサーキット1周を考えた時に、どこが強くてどこが弱いのか、弱いところを補うために何をするのか、パッケージとしてマシンとパワーユニットをどう合わせるのかです」

 ストレートで劣っているのは確かだが、それが0.5秒の後れすべてを占めているわけではない。事実、去年のレッドブルはルノー製パワーユニットを搭載して不利を抱えていたが、セクター3で大差をつけられることはなかった。

 フェルスタッペンは言う。

「モナコでは、僕らは2番目のチームだった。このサーキット(カナダGP)が僕ら向きじゃないことはわかっていたけど、(ルノー製パワーユニットを搭載していた)去年ですら、僕らはかなりコンペティティブだったんだ。あの時、僕らのクルマはメルセデスAMGやフェラーリより圧倒的に高いポテンシャルを持っていた。

 ただ、今のクルマは彼らより優っているとは言えない。足りないのは(パワーユニットとマシンの)両方だよ。もちろん、ストレートが最高な状態じゃないのは事実だけど、コーナリング性能という点においても、もっと引き出す必要がある」

 レース週末を迎えるにあたって、「マシンのファインチューニングがうまくいけば、思いのほか悪くないかもしれない」と、フェルスタッペンは期待を込めて語っていた。だが、パワーユニットの出力はそう簡単に変えられるわけもなく、それは車体側のセッティングのことを意味していた。しかし、それは思いどおりにいかず、レッドブル・ホンダはチーム3番手に沈んでしまった。

 レッドブルのテクニカルディレクターを務めるピエール・ヴァシェは、カナダGPの苦戦理由はふたつあったと説明した。

「我々がライバルに後れを取っているのはストレート、そして中速コーナーだ。そこでタイムロスしている。我々のマシンはまだ空力の問題を解決し切れていないから、マシンが不安定になってしまう。低速のヘアピンでは問題なかった」

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