インディ参戦の佐藤琢磨に不運。だがチームには上位で戦える力がある (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 事前テストがなく、最初のプラクティスの走り出しはマシンのハンドリングが非常に悪く、それを修正する必要があった。そんな不利な状況をはねのけての予選10位は悪くない結果だった。

 今季から移籍したチームだが、エンジニアたちの信頼を勝ちとり、今や完全に溶け込んでいる。チームメイトのグレアム・レイホールとの関係も上々で、シーズンの後半戦に入ってからは、レースに持ち込んだセッティングが悪いときでも、レースまでに何とか競争力のあるレベルまで巻き返すことができるようになってきた。琢磨陣営は今回も、予選からさらにセッティングに変更を施し、優勝、あるいはそれに近い成績を目指していた。

 琢磨はスタート直後にセバスチャン・ブルデー(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)をパスした。ところがそのポジションは、不運にもアクシデントの被害をもろに受ける位置だった。

 ハンター-レイとロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)のクラッシュで飛び散ったオイルを浴びた琢磨のマシンはコントロール不能に陥ると、スピンしたジェームズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)のマシンと壁とのサンドイッチになり、マシンは修復不能なダメージを受けた。

「ハンター-レイがウォールにヒットしたのを見てスロットルを戻したのだけれど、オイルを浴びてしまい、その後はもう何もできずに壁に向かっていった。500マイルのレースでこのようなことが起きたのは残念としか言いようがない。マシンはいいものになっていた感触があった」(琢磨)

 ケガがなかったのは不幸中の幸い。次戦ゲートウェイ 、そしてその後のロードコース2戦での活躍を期待するしかない。上位で戦えるだけの力が、今の琢磨&レイホールにはあるのだ。

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