インディ参戦の佐藤琢磨に不運。だがチームには上位で戦える力がある (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 今シーズンに入って急成長を遂げているロッシ。今や彼は、どのレースでも優勝候補に挙げられている。スーパースピードウェイ、ショートオーバル、ロードコースと、コースの種類を選ばない。経験豊富で今もトップレベルの速さを持つチームメイト、ライアン・ハンター-レイを、予選では14戦中9戦で上回っている。レースでもしぶとい。

 この勢いで、ロッシは初タイトルまで突っ走る可能性もある。ただし、ライバルは極めて強力だ。

 もっとも手ごわいのはディクソンだ。ダブルポイントとなる最終戦ソノマでは過去3勝を挙げている。レースを取りこぼさないところがその最大の特長だ。ポコノでも予選は失敗して13位だったが、レースは3位で表彰台に上がってみせた。

 また、現在ポイント3位のニューガーデンは、次戦ゲートウェイの昨年のウィナー。パワーともども、ポートランド、ソノマのラスト2レースでも速さを見せる可能性が高い。

 ロッシは「今日の僕らはレースを通して最速だった。アンドレッティ・オートスポートというチームがすばらしいマシンに仕上げてくれた。残る3戦で2回優勝してチャンピオンになれたらうれしい」と話した。

 これに対してポイントリーダーのディクソンは、「ここへきてロッシが2連勝し、ポイント差を縮めてきた。彼は実力を伸ばし、アンドレッティ・オートスポート最速となってもいる。残り3レースは、最初のプラクティスからハイレベルのマシンを用意し、より強いマシンを作り上げてレースを戦い、タイトルを獲得するべく全力を尽くす」と語っている。

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、ポコノでまたしてもリタイアを喫した。

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