最速美女ドライバー「愛ちゃん」は、マカオGPを目指してF3を戦う (4ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 Cクラスはマシンがパワフルで、それまでのF3-N以上にドライバーへの体力的な負担は増える。また、参戦するドライバーも各メーカーが育成している若手有望株たちで、将来はF1などトップカテゴリーを目指す強者ぞろいだ。三浦の1年目は入賞圏内になかなか届かず、苦戦を強いられた。

「ずっと乗ってみたいと思っていて、自分で選んだカテゴリーだったのですが、いざやってみると大変でした。体力面もそうですし、クルマのセットアップやドライビングの能力、レース中の駆け引きも含めて何もかもが違うなと感じました。2016年は本当に苦しかったですね」

 それでも、あきらめずに目標を目指すのが三浦の身上だ。1年目で何が足りなかったのかを分析し、シーズンオフには課題を克服するトレーニングも敢行。1年目は体力面の心配もあり、マシンのパフォーマンスを犠牲にしてステアリングを扱いやすくするセッティングだったが、2年目の途中からはライバルと同じ仕様に変更した。その分、彼女の体力的な負担は倍増するが、歯を食いしばってマシンをコントロールしていった。

「Nクラスで結果は残せていたけど、実際は大したことをやっていなかったんだなと......。自分の甘さに気づきました。みんなそれだけ(自分を追い込んで)やっているから結果が残せていて、自分はその努力ができていなかった。クルマのセッティングに対しても、1年目と同じでは勝てないから、2017年はみんなと同じ仕様にしました」

 今まで以上に自分を追い込み、1戦1戦をシビアに戦っていくと、その成果はしっかりと成績に反映されていった。鈴鹿サーキットでの第4戦で5位入賞を果たすと、そこから毎戦のようにポイントを獲得。岡山国際サーキットでの第8戦では女性ドライバーとして過去最高タイの4位に入り、Cクラスでも対等に戦えることを証明してみせた。

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