初音ミクの「痛車」チームがスーパーGTで3度王者の強豪になるまで (4ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

「痛車というのは自分にとって異文化だったし、そこに関わることはないだろうと思っていました。でも、2011年に谷口さんがチャンピオンを獲ったことによって、印象は変わったと思います。2012シーズンに向けて声をかけられたときは、単純に前年のチャンピオンチームに加わるという感じだったので、『痛車には乗りたくないな......』という意識は一切なかったですね」

 2012年は第2戦・富士の優勝で総合4位に食い込み、2013年もシーズン後半戦に2連勝して総合3位。そして2014年は新車のBMW Z4 GT3を投入した効果もあって開幕2連勝を果たし、チーム2度目のチャンピオンを獲得する。

「連覇を目指そう!」

 2015年は早々にチーム内で目標を定めるなど、すっかりチャンピオン争いの常連になった。

 しかし、マシンをBMWからメルセデスに変更したときから、苦戦の日々が始まる。2015年は実績のあるSLS AMG GT3を使用し、2016年は最新モデルのAMG GT3を導入したものの、なかなか思うようなパフォーマンスを発揮できず、2シーズン続けて未勝利に終わってしまった。

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