スーパーフォーミュラに「怪物」あらわる。若きGP2王者が驚異の走り (4ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 そして2日目は、決勝を見据えた連続周回のテストやスタートの練習を行なうなど、本番のレースに向けての準備も並行して実施した。残り5分を切ったところで予選のシミュレーションを行ない、前日の自己ベストタイムを0.6秒上回る1分35秒585を記録。総合で3番手となっている。

 昨年のGP2シリーズでのガスリーは、予選で安定した速さをみせ、全11戦中5回のポールポジションを獲得。しかし、決勝では4勝を挙げているものの、表彰台を逃すレースも多く、少し荒くなる部分がある印象だ。ところが、鈴鹿では常にスムーズな動きに徹する走りを見せていた。

 鈴鹿のコース前半の「S字」「逆バンク」と呼ばれるセクションでは、高速で連続するコーナーをクリアしなければいけない。ここでマシンのバランスがうまく決まっていないと、挙動が乱れてタイムロスにつながってしまう。

 しかし、ガスリーはまだ自分好みのバランスになっていない状態でもスムーズに走っており、「丁寧で無駄のないドライビング」という印象を受けた。憶測ではあるが、自分のスタイルにマシンを合わせていくのではなく、自分がマシンに合わせ込んでいくという走りが自然とできるのかもしれない。

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