秋華賞は、桜花賞馬ステレンボッシュとオークス馬チェルヴィニアのどっちに分があるか? (2ページ目)
春の牝馬クラシック二冠においては、勝ったり、負けたりという戦いを見せてきたこの2頭。はたして、3度目の対決となる今回はどちらに分があるのか。
先の専門紙記者がこう語る。
「GI桜花賞(4月7日/阪神・芝1600m)はチェルヴィニアが13着と大敗しましたが、敗因は5カ月以上の休み明けだったことがほとんど。逆に、GIオークス(5月19日/東京・芝2400m)ではステレンボッシュがチェルヴィニアに半馬身差で負けましたが、スムーズな競馬ができたかどうかの差でした。
いずれの勝敗も、決定的な能力差を示すものではありません。つまり、両馬にはそもそもの能力において、『決定的』というほどの差はない、と言えるでしょう。
そして、どちらもしっかりした末脚を持っていますから、秋華賞でも最後はきっと末脚勝負になると踏んでいます。過去の秋華賞では、人気馬がゴール前でバテて下がってきた馬をさばくのに手こずるようなシーンがしばしば見受けられました。そういうアクシデントに見舞われることなく、スタートから最後の直線までうまく運んだほうが勝つ、としか言えませんね」
想定されるのは能力互角のGI馬2頭による、まさにガチンコ勝負である。
だが、そうは言っても、現実的に頂点に立つのはどちらか1頭だけ。何かしら、優劣がつきそうなポイントはないのだろうか。
「あえてひとつ挙げるなら、クリストフ・ルメール騎手の選択でしょうか。彼は、チェルヴィニアのデビュー3戦目となるGIIIアルテミスS(東京・芝1600m)の競馬がいたく気に入ったようで、あれ以来『クラシックはこの馬で行く』と言い続けていました。
そうしたなか、チェルヴィニアが出走できなかったGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)では、ステレンボッシュに騎乗して2着。そこでもし、ステレンボッシュのほう強いと思えば、こちらを選択することもできたはずです。しかし、当初の予定どおりオークスではチェルヴィニアを選択。見事に勝利を飾って、秋華賞でも同馬の鞍上を務めます。
結果はどうなるかわかりませんが、少なくともルメール騎手はステレンボッシュより、チェルヴィニアのほうを上に見ていることは確かでしょう」(専門紙記者)
春の段階では、完成度という点においてはステレンボッシュのほうがチェルヴィニアよりもやや勝っていた。そこからひと夏越しての成長を考えると、当時完成度で劣っていた分、チェルヴィニアのほうがより伸びしろがありそうに思える。
となると、勝つのはチェルヴィニアなのか。
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