オールカマーはキレ味よりも長く脚を使える馬。特殊な舞台が合う3頭に大駆けの予感 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

「同馬はまず、中山実績があります。なかでも、芝2200mは3戦して1勝、2着2回。そのなかには、昨年のこのレース2着も含まれています。

 先週までの馬場傾向に基づくなら、この馬の器用な先行脚質というのは間違いなくいいですし、渋った馬場にも実績があるので、馬場が重くなっても大丈夫。この馬にとって、いい条件の舞台だと思います。

 GI馬がデアリングタクト1頭のみという今回のメンバーレベルであったら、能力的にも遜色ありません。休養明けでも仕上がっていれば、イケるはずです」

 木村記者は続いて、オープン入りして3戦目の馬にも目を向ける。

キングオブドラゴンです。この馬もキレる脚のない馬で、タラタラッと長く脚を使うような競馬で勝ち上がってきました。中山・芝2200mも過去に3回経験していて、4着、2着、1着とまずまずの成績を残しています。

 以前は1勝クラスでも勝ちきれなかったのが、ここにきて力をつけてきました。レースぶりが安定し、だいぶ本格化してきた感があります。この馬には最も適した舞台だと思いますし、穴馬として注目しています」

オールカマーでの一発が期待されるロバートソンキーオールカマーでの一発が期待されるロバートソンキーこの記事に関連する写真を見る 木村記者はさらにもう1頭、「ボコボコの馬場になったら浮上しそう」と言って、ロバートソンキー(牡5歳)を激走候補に抜擢する。

「格上挑戦だったGI天皇賞・春(5月1日/阪神・芝3200m)の7着は、距離が長かっただけで悲観するものではありません。この馬は、脚元の関係でなかなか多くのレースを使えませんけど、今回はそんなに間隔をあけずに使えるというのは、いい感じできている証。

 この馬も長く脚を使えるタイプで、中山の芝2200m向き。まだまだ底を見せていませんし、このメンバーに入っても......という期待はあります」

 先週に続いて、今週末も雨予報。木村記者によれば「馬場は読みづらい状況にある」というが、いずれにしてもタフなレースに対応できる馬が上位争いを演じることになりそう。ここに挙げた3頭は、その条件にもぴったり。キレ味ある人気馬たちが苦しむ展開となれば、いずれかがアッと驚くような大駆けを果たしてもおかしくない。

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