エプソムCに「GIの負けを取り戻せる、
ありがたい3頭」が出走する
東京競馬場でのGI5週連続開催が終了。今週は、これまでの喧騒とは少し違った落ち着いた雰囲気のなか、GIIIエプソムC(6月10日/東京・芝1800m)が行なわれる。
GI戦に比べると出走メンバーのレベルが落ちて、混戦模様となるイメージが強いが、過去の傾向を見ていると、大きく荒れることは少なく、意外と堅い決着で収まっていることが多いレースだ。
ここ10年の勝ち馬を見ても、すべて5番人気以上。アッと驚くような人気薄の馬が大金星を挙げたことはない。また、馬券圏内の3着以内においても、ふた桁人気で飛び込んできたのは、2008年に12番人気で3着となったグラスボンバーと、2012年に15番人気で3着に入ったマイネルスターリーの2頭だけ。比較的、大波乱が起こりづらいレースと言える。
とはいえ、その2008年と2012年は3連単の配当が10万円超え。絶対に荒れない、ということではない。ならば、GI5週での負けを取り戻すためにも大きく勝負すべきだろう。
そこで、過去10年の穴馬を参考にして、今年のレースで一発が期待できそうな伏兵馬を探し出してみたい。
まず、先に触れたグラスボンバーとマイネルスターリーには共通点がある。重賞実績がありながら、近走の不振で人気が低迷していたことだ。
グラスボンバーは、3年前(2005年)のGIII福島記念(福島・芝2000m)で初の重賞制覇。翌2006年のエプソムCでも2着に入るなど、重賞レースで何度も好走していた。しかし、2006年の夏から2007年の秋まで、およそ15カ月の長期休養を強いられた。その結果、戦列復帰後も復調に手間取って、直前のGIII新潟大賞典(新潟・芝2000m)でも10着と惨敗。人気はまったくなかった。
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