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大魔神が夢を託すヴィルシーナの初子
ブラヴァスは「べらぼうにいい」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第2回:ブラヴァス

 一時代を築いた名牝の初めての子として注目を浴びている2歳馬が、まもなくデビュー戦を迎える。

 栗東トレセン(滋賀県)の友道康夫厩舎に所属するブラヴァス(牡2歳/父キングカメハメハ)である。

ヴィルシーナの初子となるブラヴァスヴィルシーナの初子となるブラヴァス 母は、2013年、2014年とGIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)を連覇したヴィルシーナ。2013年は1番人気に応えた、鮮やかな戴冠だった。

 一方、2014年は前年の勝利から不振に陥って、11番人気まで評価を落としていた。しかし、好スタートから果敢にハナを切ると、前年覇者の底力を発揮して見事な復活勝利を遂げた。周囲から「すでに終わった馬」という声も囁かれるなか、牝馬らしからぬ勝負強さで連覇を果たした同馬の姿を見て、涙した関係者やファンも少なくなかった。

 さらに語り草となっているのは、同期のジェンティルドンナとの"死闘"だ。桜花賞、オークス、秋華賞と、牝馬三冠を達成して歴史に名を刻んだジェンティルドンナ。ヴィルシーナはその3レースすべてで2着に甘んじたが、伝説的な名牝と繰り広げた数々の名勝負に多くのファンが酔いしれた。

"たら、れば"ではあるが、ジェンティルドンナさえいなければ、牝馬三冠もあったかもしれないヴィルシーナ。彼女のポテンシャルは、それほど高かったと言える。

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