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波乱含みのエリザベス女王杯。2012年の再現狙う「2頭の穴馬」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 ともに、強力なライバルたちが別路線に行った今回の"女王決定戦"は、まさに負けられない立場。中心的な存在となることは間違いない。

 しかし、普通なら2、3番人気が想定されていた馬が、有力馬の路線変更や回避によって、押し出されて人気馬になった場合、そうしたレースでは得てして波乱が起こるもの。エリザベス女王杯で例を挙げれば、2012年のレースがこれに似たケースと言えるかもしれない。

 2012年と言えば、ジェンティルドンナが牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)を達成した年である。この3歳女王がエリザベス女王杯に参戦していれば、断然の人気を集めるのは確実だったが、彼女は果敢にジャパンカップ挑戦を決断。代わってエリザベス女王杯では、牝馬三冠レースでジェンティルドンナの2番手に屈してきたヴィルシーナに人気が集中した。

 もちろんヴィルシーナにとっても、ライバルのいない一戦。それはまさしく"負けられない戦い"だっただろうが、ヴィルシーナは他馬の徹底マークもあって2着に敗退。その間隙を突いて勝利を飾ったのは、7番人気のレインボーダリアだった。

 レインボーダリアは、当時まだ重賞未勝利の5歳馬。その夏にオープン入りを果たしたばかりだった。それでも同馬は、その1年前のエリザベス女王杯に格上挑戦。17番人気で5着と健闘するなど、2000mを超える中距離戦では高い適性を示していた。そうした距離への相性と、古馬ならではのレース経験を生かしたことが、金星につながったのではないだろうか。

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