広島から五輪代表の「切り札」へ。最終予選のカギ握る、浅野拓磨

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

リオ五輪を目指す日の丸戦士(1)

リオデジャネイロ五輪の出場権をかけたアジア最終予選(アジアU-23選手権。1月12日~30日/カタール)がまもなく始まる。過去、5大会連続で五輪出場を果たしている日本だが、その戦いは決して簡単なものではない。特に今回から大会方式が変わって()、出場権争いの熾烈さが一層増している。はたして日本は、その厳しい戦いを勝ち抜いて、6大会連続で五輪切符を手にすることができるのか――。そこで今回から、その命運を握る男たちをピックアップして、最終予選へ向けての応援ムードを高めていきたい。第1回は、日本の得点源として期待されるFW浅野拓磨(サンフレッチェ広島)だ。
※前回までは、4カ国ずつ3組に分かれて、2回戦(ホーム&アウェー)総当たりのリーグ戦で最終予選が行なわれ、各組1位に出場権が与えられた。今回からは、16カ国が出場するアジアU-23選手権が最終予選を兼ねることとなり、同大会の上位3カ国が出場権を得ることになった。

五輪代表メンバーの中で、今季最も成長した選手と言える浅野拓磨。五輪代表メンバーの中で、今季最も成長した選手と言える浅野拓磨。 今年3月のリオ五輪アジア1次予選を終えたあと、2016年1月に開催されるアジア最終予選に向けて、五輪代表FWの浅野拓磨(サンフレッチェ広島)が最も重視してきたのは、「(Jリーグの)試合に出ること」だった。

「チームには(絶対的な存在の)ヒサトさん(FW佐藤寿人)がいますし、その"壁"を乗り越えていかないと、自分は試合に出られない。少ない出番とチャンスを生かして、なんとか(長い時間)試合に出るきっかけをつかみたいですね。それができれば、個人的に成長できると思いますし、そうした個々の成長がなければ、最終予選を突破するのは難しいと考えています」

 そして浅野は、自らの本望とは言えないまでも、チームにとっては欠かすことのできない重要なポジションをつかんだ。

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