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広島から五輪代表の「切り札」へ。最終予選のカギ握る、浅野拓磨 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 同時に、浅野のスピードは、日本代表・ハリルホジッチ監督の目にもとまった。5月の国内合宿に招集されると、8月の東アジアカップに挑んだ日本代表メンバーに、その名を連ねるまでに至った。

 浅野の勢いは、その後も止まらなかった。Jリーグセカンドステージでは、全17試合に途中出場し、5ゴールを記録(シーズン通算は8ゴール)。チームのステージ優勝と、年間1位獲得への原動力となった。

 浅野は、その結果にはある程度満足していた。

「(セカンドステージは)途中出場でも、毎試合出られるようになった。出場時間もちょっとずつ長くなって、勝負できる時間が増えてきたので、自分としては(今の役割も)ポジティブにとらえられるようになりました。ステージ優勝もして、自分も少しは貢献できたかな、と……」

 一方で、反省も忘れていなかった。

「ストライカーとしては、まだまだです。ヒサトさんのようにタイミングよく(相手の)裏を突くとか、ドウグラスの決定力とか、学んで身につけなければいけないことがたくさんある。お手本となる選手が身近にいて、恵まれた環境にいることを思えば、もっと点を取れたな、と思っています」

 その貪欲な姿勢は、ストライカーにとって欠かせない要素だ。

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