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2013年の賞金女王・森田理香子が振り返る休養とツアー復帰まで 「心も体も、もう疲れていた」 (3ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook

「辞めたいと思っていた時に、おじいちゃんが亡くなり、京都でおじいちゃんが経営していたゴルフ場も手放すことになったんです。私のスポンサーの契約関連もすべて終わる時期が重なっていて、これはタイミングかな、って。両肩にあるものも重かったんです」

 スポンサーの支援と期待は、不振だった元賞金女王の森田には荷が重すぎた。それに様々なアドバイスをもらっていたことも、思いきって休養を宣言するきっかけにもなった。

「悩んでいる時にいろんな人との出会いもあったし、離れていく人もいました。いい時って誰でも寄ってくるけれど、悪くなると本当に人っていなくなるんですよ。だから、一番苦しい時に側にいてくれた人を信用したかったんです。そこからは支えてくれる人の助言も聞くようにして、やめるなら休養という形にして、ゴルフから離れてみるのもいいよ、というアドバイスももらっていました」

当時、多くのメディアは「事実上の引退」と書いたが、森田自身が公の場で引退を宣言したことは一度もない。

「プロゴルファーなので、引退はしたくなかったんです。またツアーでやりたくなるかもしれないじゃないですか。人との出会いがやっぱり大きいです」

それから公の場に姿を現わさない日々が続いたが、5年が経ち、ツアー出場以外にも、インスタグラムなどのSNSでは自身のプライベートやレッスン動画を積極的に発信したり、ツアー解説や企業のプロアマ参加、自身がプロデュースするゴルフウェア「ヤミーローズ」の販売も手掛けるなど、活動の幅を大きく広げてきた。

そして森田は、今年の2月、女子ツアーの開幕戦となる「ダイキンオーキッドレディス」で6年振りとなるツアー復帰を果たす。

(つづく)

【Profile】森田理香子(もりた・りかこ)/1990年1月8日生まれ。京都府出身。
ゴルフ練習場を経営していた祖父の影響で、8歳からゴルフを始める。京都学園高3年時にアマチュアとして出場した『日本女子オープン』でローアマ(16位)を獲得。2008年にプロ転向。美しいスイングから繰り出される圧倒的な飛距離を武器に、2010年「樋口久子IDC大塚家具レディス」でプロ初勝利。2013年には年間4勝をあげ、賞金女王にも輝いた。その後長らく不振に苦しみ、2016年には賞金シードからも陥落。2018年6月「ニチレイレディス」を最後にツアー休養を発表も、今年2月の「ダイキンオーキッドレディス」で6年ぶりにツアー復帰を果たした。ツアー通算7勝。

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