2013年の賞金女王・森田理香子が振り返る休養とツアー復帰まで 「心も体も、もう疲れていた」 (2ページ目)
「13年はシーズン開幕の3月から(賞金ランキングで)トップを走っていて、最後まで賞金女王争いをしていたので緊張感がありました。今振り返るとすごく充実していたけれど、当時は目の前のことしか見えていなかった。賞金女王になり、シーズン終了後は次のことを何も考えられなくなってしまったんです」
オフに入ってもモチベーションは上がらなかった。14年に1勝をあげるも、「あまり嬉しくなくて、自分のなかで冷めてしまったものがあった」と振り返る。
「ゴルフ以外のことでもいろいろありましたし、メンタル的に病んでいました。心も体も、もう疲れてしまっていたんです」
トップアスリートにありがちではあるが、注目度の高さゆえに私生活がメディアに取り上げられることが増え、ストレスを抱えるようになった。メンタルの不調は当然、技術にも影響を及ぼす。
「それまでは感覚でゴルフをしてきたので、悪くなった時は練習して直していたのを、当時は練習していてもわからないくらいでした。ゴルフを始めた時に理論からしっかり学んでおけば、こういうことにならなかったかもしれない。感覚でずっとやってきたから、元に戻れなかったのかもしれません」
賞金女王という肩書きも重くのしかかっていた。「自分がうまく打てないのを認めたくなかったし、人の目を気にして生きていた。プライドもすごく高かったし、いろんな人に聞いたりしていました。考えれば考えるほど、もがけばもがくほど悪い方向に行ってしまった」と振り返る。
【"事実上の引退"と囁かれるも「引退はしたくなかった」】
14年の1勝以降は勝てない日々が続き、16年に初めてシードを喪失。行き場を失うと18年シーズンを最後に「休養」を宣言したが、そこには様々な出来事が重なったことも大きかったという。
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