【木村和久連載】コロナ禍のゴルフマーケット。来年はどうなるのか? (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 ただスポンサーありきのトーナメントですから、すべての試合が開催されることはありません。コロナ禍にあって、世評から判断してあえて自重する企業もあるでしょうし、そもそも業績が悪化してトーナメントをスポンサードしている場合じゃない、という企業もあるでしょう。

 また、無観客ということもあって、テレビ視聴率が期待できなければ、開催を躊躇するスポンサーもあるはずです。そうなると、日本では「黄金世代」や「プラチナ世代」など、役者がそろっている女子の試合のほうが多く開催されることになります。

 あと、基本的に女子の試合は距離が短いので、コース側も大がかりな準備をしないで済む点も大きいと思います。グリーンを速くする、ラフを伸ばす、といったことである程度対処できます。

 しかし男子のトーナメントとなると、距離を延ばすとか、あるいはパー72をパー70にして難しくするなど、プチ改造が必要になる場合があります。そうやって、お金をかけてコースセッティングして試合を開催するとなると、やはりそれなりに視聴率が取れないと意味がないですよね。男子の場合、そこが難しいところです......。

 ひとまず、今年のトーナメントは終了しました。来年のツアーはどうなるかわかりませんが、最初の試合まで時間がありますから、新型コロナウイルスの感染状況を見ながらの判断になると思います。もし早い段階でワクチン接種が浸透すれば、観客を入れての開催も可能になるのかな、と。

 となれば、ゴルフを含めた東京オリンピックも、有観客で開催される可能性は大です。

(4)東京オリンピックはどうなる?
 当初、東京オリンピックの開催は無理かと思っていましたが、ちょっと風向きが変わってきました。

 IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長が念押しのためなのか、11月に急きょ来日しました。これは、スタイルを変えてでも、開催しそうな雰囲気ですね。

 IOCは、とても強気です。とりあえず開催してテレビで放映すれば、放映権料でお金を稼げますからね。

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