2020.12.20

村口史子が見た渋野日向子の変化。宮里藍と共通するズバ抜けた才能

  • 柳川悠二●構成 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 全米女子オープンの予選ラウンド2日間でバーディーを積み重ね、最終日を首位で迎えた渋野日向子選手。大会前には、ここまでの活躍は予想していませんでした。残念ながら4位という結果に終わりましたが、シーズン当初のことを考えれば、よくがんばったと思いますし、復調を感じさせる大会だったのではないでしょうか。

 昨年は国内4勝を挙げて、海外メジャーのAIG全英女子オープンでも優勝。大躍進を遂げて、渋野選手は今季、さらなる高みを目指していました。オフの間にトレーニングに力を入れて肉体改造を図り、アプローチのバリエーションを増やすことを第一の課題としていました。

 ところが、今季の開幕戦、アース・モンダミンカップでは、トレーニングをがんばったことで、上半身に力が入りすぎている印象を受けました。バックスイングがやや速くなって、その分、切り返しが浅くなっていると感じました。

 つまり、オフの取り組みがスイングに生かし切れていませんでした。そのため、スコットランド女子オープンや連覇を狙ったAIG女子オープン(全英女子オープン)などでも苦しい戦いを強いられましたが、そんなシーズン当初の苦悩を思えば、全米女子オープンではいろいろなことが改善されていました。

 スイングにおいては、リズムがよくなり、切り替えからインパクトまでには左足で壁をつくって、スムーズな体重移動ができていました。体幹トレーニングの効果も見て取れましたね。

 なかでも、うまく立て直しを図れていたのが、パッティングです。国内の大会でも予選落ち、あるいは何とか予選を突破していた頃は、不安を抱えながら打っているシーンが頻繁に見られました。

 その要因として考えられるのは、アプローチで苦労していたこと。アプローチで寄せ切れず、パットの際に距離が残る場面が多く、結果的にプレッシャーがかかって、うまくストロークできない、という悪循環に陥っていたように思います。