【木村和久連載】どういった雰囲気でラウンドするのが好きですか? (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 ところがその後、そのバイトくんはショックを受けたらしく、ラウンドはしばらく結構、ということに......。ラウンドを休むことになった本当の理由はわかりませんけど、少なからず悪影響を与えてしまったことは確かなようです。

 夢や希望を抱いてやって来たゴルフ出版界の実情は、下品な欲の塊みたいな連中の集まりだった――そう捉えられても、仕方がないですね......。

 個人的には、いかにリラックスしてラウンドすべきかを説いたつもりでしたが、逆効果だったようです。過去に、私がコンペで感じた疎外感を、そっくりそのまま、そのバイトくんが感じた可能性は大いにあります。

 いやぁ~、ゴルフのラウンドにおける組み合わせって、本当に難しいですね。

 一緒にラウンドする、そのパーティーごとに"小宇宙"があり、"支配者"がいるってことですから。人それぞれ、合う、合わない、ということが必ずあります。

 そして現在、多少景気もよくなり、私は安いゴルフ会員権でも買って、セミリタイヤ生活でも送ろうかと、ゴルフ会員権相場表とにらめっこする日々を送っています。

 けど、還暦を過ぎて、新しい環境に溶け込むのは、相当なエネルギーがいります。どこの倶楽部も、「いいこと8割、嫌なこと2割」くらいの比率で起こりますからね。

 まあでも、会員権相場表は、電車の時刻表を見て、旅行を妄想するようなもの。もしこのコースに入ったら、何時のクラブバスに乗って、何時にスタートして......とか、いろいろとスケジュールを組み立てるのも楽しいです。

 知らない世界に飛び込める財力と精神力が復活したら、メンバーライフを再開するかも。今は、しばし様子を見るとしますか。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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