渋野日向子の全英女子OP連覇は?
村口史子「気になるのはショートゲーム」

  • 柳川悠二●構成 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Kyodo News

◆渋野日向子ら注目プレーヤー10名の「凄さ」>>

 渋野日向子選手がディフェンディングチャンピオンとして臨む今季初の海外メジャー、AIG全英女子オープン(8月20日〜23日)が、今年はスコットランドのロイヤルトゥルーンGCで開催されます。

 日本的なコースとも言える、イングランドのウォーバーンGCで開催された昨年の大会は、ほとんど風がなく、雨が降ることもなく、4日間を通して温かい日が続いて、まさに"ゴルフ日和"でした。海外トーナメント初出場だった渋野選手にとって、そういった点が幸いしたことは少なからずあったと思いますし、優勝の後押しになったことは間違いないでしょう。

全英女子オープン連覇を狙う渋野日向子。今年もその笑顔が弾けるか全英女子オープン連覇を狙う渋野日向子。今年もその笑顔が弾けるか しかしそれは、いつもの全英女子オープンの風景ではありません。ナイスショットをしても、チャンスにつけられるとは限らないのが、本来の全英女子オープンであり、その舞台となるリンクスコースです。つまり、リンクスコースのロイヤルトゥルーンGCで開催される今年こそ、本当の意味での全英女子オープンと言えるかもしれません。

 何年か前から、私も全英女子オープンの現地取材に行かせていただいていますが、選手たちが予想もしないアクシンデントに見舞われている姿を幾度となく見てきました。風の影響や芝の状態によっては、完璧なショットを打ったとしても、ボールが予期せぬ方向にバウンドしたり、思った以上に転がったりしてしまうのが、リンクスコース。あの宮里藍さんが、同じポットバンカーに何度も入れたり、ブッシュからのショットで空振りしたり、といったシーンも見てきました。

 また、申ジエ選手が優勝した2012年大会(ロイヤルリバプールGC)では、彼女だけ曲がらないゴルフをしていました。でも、そんな彼女でさえ、OBを打ったわけでもないのに、トリプルボギーを叩いてしまうなど、日本のコースでは起こりえないことが起きてしまうのが、全英女子オープンであり、リンクスコースなんです。

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