渋野日向子の全英女子OP連覇は?村口史子「気になるのはショートゲーム」 (2ページ目)
さらに、「一日に四季がある」と言われるように、リンクスコースでは移り気な天候にも対峙していかなければいけません。2016年にロイヤルトゥルーンGCで開催された男子の全英オープンを映像で確認しましたが、長袖の選手がいたり、合羽を着た選手がいたりしますから、今回もその準備は必要でしょう。
加えて、強風が吹き荒れ、雨まで降るようなことになると、かなり過酷なゴルフを強いられることになります。ボギーで収まらず、トリプルボギーになることも普通に起こり得ます。そこで、どう気持ちを切り替えていくのか。そういったことを含めて、リンクスコースの戦いで何より求められるのは、"我慢強さ"です。
昨年の渋野選手は、慣れない海外の大会で「早く日本に帰りたい」と語るなど、無欲で臨んだ大会でした。しかしそのわずか4日間で、彼女を取り巻く環境は、大きく変わりましたよね。
以降、彼女の一挙一動が注目され、そのまま多忙なオフを過ごすことになりました。その結果、今年の大会に向けては、渡英前の意気込みからして、昨年とはまったく異なります。周囲からの期待も大きく、連覇を狙えるのは自分だけ、といった思いも自らの気持ちの中にはあるでしょう。
だからこそ、新型コロナウイルスの感染拡大によって、長い充電期間となったこのオフには、アプローチのバリエーションを増やし、スイングの改造も行なってきました。そして、全英女子オープンの前週には、スコットランド女子オープン(8月13日~16日)にも出場。準備や調整においても余念がありません。
そうした状況にあって、すなわち、昨年とはまったく違った立場や気構えにあって、彼女がどんなプレーを見せるのか、どれだけのプレーができるのか、非常に興味があります。
昨年は4日間、ニコニコと笑顔を振りまいてプレーしていただけれども、今年はどうなのか。怖いもの知らずで、果敢にピンを狙っていって、強気のパッティングが光っていたけれども、今年も同じようにできるのか。
自然との戦いであることを改めて痛感させられる舞台にあって、彼女がどういう表情でプレーをし、何を考え、どうやって気持ちをコントロールしていくのか。そのプレーぶりが、とても楽しみでなりません。
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