渋野日向子が「やっと落ちた」。
コーチが語った予選落ち→優勝の裏側
東京五輪&パラリンピック
注目アスリート「覚醒の時」
第26回 ゴルフ・渋野日向子
最後まで「攻めた」大王製紙エリエールレディス(2019年)
アスリートの「覚醒の時」――。
それはアスリート本人でも明確には認識できないものかもしれない。
ただ、その選手に注目し、取材してきた者だからこそ「この時、持っている才能が大きく花開いた」と言える試合や場面に遭遇することがある。
東京五輪での活躍が期待されるアスリートたちにとって、そのタイミングは果たしていつだったのか......。筆者が思う「その時」を紹介していく――。
***2019年シーズンは何度も「覚醒」を遂げた渋野日向子 昨季のJLPGA、国内女子プロゴルフツアーは、あらゆるスポーツイベントの中でも、最も華やかで盛況だったように思う。
渋野日向子が全英女子オープンで優勝するや、その熱気は国内ツアーにまで波及。渋野を交えた賞金女王争いは、最終戦までもつれ込むことになった。
何より、そのシーズンの終わり方がよかった。言い換えれば、半年以上、好印象を残しながら、中断してしまったことになる。再開が最も待ち遠しいプロスポーツの代表格。そう言っても、言い過ぎではない。
1 / 5