2020.06.19

果敢にツーオン狙い。松山英樹の
勝負勘と圧倒的技術の結晶を見た

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Kyodo News

東京五輪&パラリンピック
注目アスリート「覚醒の時」
第25回 ゴルフ・松山英樹
アマチュアで制した三井太平洋VISAマスターズ(2011年)

 アスリートの「覚醒の時」──。

 それはアスリート本人でも明確には認識できないものかもしれない。

 ただ、その選手に注目し、取材してきた者だからこそ「この時、持っている才能が大きく花開いた」と言える試合や場面に遭遇することがある。

 東京五輪での活躍が期待されるアスリートたちにとって、そのタイミングは果たしていつだったのか……。筆者が思う「その時」を紹介していく──。

アマチュアとして優勝し石川遼(写真左)から祝福を受ける松山英樹 東日本大震災が起こった9年前(2011年)のあの日、東北福祉大の2年生だった松山英樹は、三井住友VISA太平洋マスターズ(11月10~13日/静岡県太平洋クラブ御殿場コース)を制し、倉本昌弘、石川遼に次ぐ史上3人目となるアマチュア優勝を飾った。

 この年の4月のマスターズにアジアアマ王者の権利で出場し、日本人として初めてのローアマチュアに輝いていた松山にとって、プロ転向に向け大きな足掛かりとなった大会といえた。

 最終18番(パー5)を迎えた時点で、通算11アンダーまでスコアを伸ばしていた松山は、同組だった谷口徹に2打差をつけてトップに立っていた。松山を追う谷口が先に放った第2打は、ピン横2.5メートルのイーグルチャンスに。