2019.10.14

渋野日向子がまた魅せた。奇跡の
逆転優勝も起こり得た濃密な9ホール

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 逆転での賞金女王を目指す渋野日向子にとって、うれしさ半分、悔しさ半分といったところだろう。

 前日に東日本を縦断した大型台風の影響で、18ホールから9ホールに短縮されて行なわれたスタンレーレディスゴルフトーナメント最終日。会場となった東名カントリークラブ(静岡県)は、台風一過で快晴に恵まれたうえ、気温も30度を超えていた。

 そんな気象条件のおかげもあってか、「水たまりとかまったくなくて、ホントに台風が来たのかなっていうくらいの感じだった」と渋野。風もそれほど強くはなく、数十年に一度と評される大雨をもたらした台風が通過したとは思えないほど、コースコンディションは回復していた。

 すると渋野は、最初の10番ホールでグリーンエッジからのアプローチを直接決め、いきなりのチップインバーディー。自ら、「いいスタートが切れたなと思った」と語る好発進である。

最終日、いきなりチップインバーディーを奪った渋野日向子 ところが、絶好のスタートを切ったはずの渋野を、思わぬ落とし穴が待ち受けていた。

 続くパー5の11番、渋野は第3打をピンそば2mほどにつけながら、バーディーパットがわずかにショート。予想以上に回復していたコースコンディションが、渋野を幻惑させてしまったのかもしれない。

「(台風の影響で)やっぱりグリーンがちょっと重たくなっていたんで、その分、バーディーパットがかなりショートしてしまったところがあった。そこはちょっと悔いが残るなってところです」

 渋野は、11番を手始めに12、13、15番と、ことごとく決まらなかったバーディーパットについて、こう振り返る。

「バーディーパットが最後(18番)以外、一個も入ってないですもんね。あそこ(11番)は読みも違うし、距離感も全然ジャストタッチじゃない。『あ、グリーン遅いな』、『合ってないな』って思ったんで、そのあとからはしっかり打っていこうと思っても、やっぱり打ててなかったです」

 実際のところ、渋野は18番のほかにも14番でバーティーパットを決めているのだが、それも忘れてしまうくらい、外した印象のほうが強く残ったということだろう。首位と6打差でスタートしながら、最終的には3打差まで詰めたことを考えれば、悔やまれる4つのバーディーチャンスだったのは確かである。