【木村和久連載】キャンセルとクローズを巡る、ゴルフ場と客の心理戦
専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第124回
ゴルフ場って、ディスコやクラブと同じで、お店(コース)をオープンしたら、とにかくなるったけお客さんを入れたほうが得です。お客さんが100人いようが、たったひとりだろうが、芝の上(コース)で打たせて、食事を提供して、お風呂にも入れるようにしないといけませんから。そのときかかる風呂のボイラー代や電気代などの経費は、ひとりでも、100人でもほぼ一緒ですしね。
だいたい、ラウンドといっても、芝が生えたコースを貸すだけ(もちろん、手入れは大変なんですけど)。そりゃ、お客さんが多いほうがいいに決まっています。
そんなわけで、コース側はぎりぎりまで集客に余念がありません。
ネット予約では、最近ではスマホのアプリを使うと、当日でも予約できるコースが多いようです。朝、5時くらいに起きてアプリを使って予約する――便利っちゃ、便利ですけど......、そうなると、朝起きてからふらっとホームコースに行けるという、メンバーさんのメリットがなくなりつつあります。
何にせよ、実に便利な世の中になりました。つい数年前まで、ある名門コースでは土日や祝日にラウンドしたい場合、ハガキで応募して抽選の結果次第なんてところがありました。懸賞じゃないんだから、勘弁してほしいです。さすがに今は、電話か、メールでの応募になっていますけど。
ただ、便利すぎるのも問題があります。急に面倒になったとか、嫌になったからといって、当日キャンセルするわがままなゴルファーがいたりしますから。ちょっと雨がパラついているだけで「今日はやめた」ってキャンセルしちゃうとか、そういうことがバンバンあるわけです。
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