【木村和久連載】アマに飛ぶドライバーを。ゴルフ総本山の規定に物申す (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 それにより、プロの世界ではバッバ・ワトソン(38歳/アメリカ)みたいな350ヤードヒッターが続々と登場するに至っています。もちろん、バッバ・ワトソンが使用しているのも飛ばない低反発ドライバーです。結局、クラブを規制しても結構飛んでしまうので、今度はボールを飛ばなくしよう、なんて意見も出ています。

 R&A、USGA(全米ゴルフ協会)などの組織は"飛ばない"ギアを使うように指示し、メーカーは規制に従いつつも"飛ぶ"ギアを作り出す――昨今は、そんな双方のせめぎ合いとなっています。

 こうした状況のなか、昨年ある出来事が起きました。プロギアの『RS-Fドライバー』が一度はルール適合の認定を受けたにもかかわらず、再度の検査で不適合な部分が見つかり、ルール以上に飛ぶという理由で、適合リストから除外されました。

 これは、「はい、そうですか」で済む話ではありません。このクラブは有名プロも使用しており、それが一時的に使えなくなってしまったんですから。

 最終的にはルール適合の製品を作り直して、再検査の結果、無事に合格となったのですが、最初に作った製品は一斉回収ですからね。損害は甚大です。

 なんでプロギアの製品がこうなったのかは謎です。噂の域を超えませんが、お上から目をつけられていた、という話がまことしやかに流れています。

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