運命の舞台で決まり始めた「クラッチパット」。スピースに復活の予感 (2ページ目)
「すべては、ここから始まったんだよ」
2年ぶりの勝利を手にしたあと、スピースもそう語って、その当時のことをもう何年も前のことのように懐かしんで目を細めた。
2014年11月、当時21歳のスピースは、日本ツアーのダンロップフェニックスで松山英樹、岩田寛らと優勝を争ったあと(結果は3位タイ)、このオーストラリア・オープンに参戦。そこで、2位に6打差をつけて快勝すると、次戦のタイガー・ウッズ主催のヒーロー・ワールド・チャレンジでも驚異的な強さを発揮し、2位のヘンリク・ステンソンに10打差という大差をつけて優勝した。
そして迎えた2015年、スピースは凄まじい快進撃を見せた。3月のバルスパー選手権で優勝し、4月のマスターズでメジャー初制覇を果たすと、6月の全米オープンも制してメジャー大会を連覇。"年間グランドスラム"達成という、大きな期待も膨らんだ。
結局、セントアンドリュースで行なわれた7月の全英オープンは首位と1打差の4位に終わり、8月の全米プロ選手権ではジェイソン・デイと最後まで熾烈な争いを演じて2位。歴史的な快挙達成は惜しくも叶わなかったものの、シーズン最終戦のツアー選手権を制して年間5勝を挙げ、フェデックスカップの王者にも輝いた。そのままスピースは、22歳にして世界ランキング1位の座に就いたのだ。
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