運命の舞台で決まり始めた「クラッチパット」。スピースに復活の予感 (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 ところが、昨季の2015-2016シーズンを振り返ってみると、その2014-2015年シーズンの印象が強烈だっただけに、それほど活躍したイメージがない。年明けのヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ、5月のディーン&デルーカ招待と2勝しているにもかかわらず、低迷した印象さえある。

 そう感じさせるのも、"マスターズの失速"があったからだろう。

 最終日のバックナインを迎え、5打差のリードを奪って首位に立っていたスピース。前年に続く2枚目のグリーンジャケットを誰もが手にすると思っていたが、「魔女が棲む」と言われるアーメンコーナーの12番パー3で悲劇は待っていた。まさかの池ポチャ2回。優勝争いから脱落して涙を飲んだことは、今なお記憶に新しい。

 以来、ディーン&デルーカ招待で優勝してはいるが、スピースの苦悩はずっと続いていた。

「マスターズで負けたことは忘れたつもりだったけど......。(あれから)どうしてもパットが思うように決まらなくなった。特にプレッシャーが大きくかかったときは、ショットも、パットもどこか微妙にズレていたんだ」

 だが、今回のオーストラリア・オープン最終日は違った。スピースが興奮気味に語る。

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