苦悩の女王・森田理香子「世間に
イップスと知られるのが怖かった」 (4ページ目)
目の前で起きていることを前向きに捉え、いつか再び輝く日が来ることを信じている森田。それでも、すぐによくならないのが、ゴルフというスポーツの難しいところだ。
「誰にでもなり得る状況に、まさか自分がなるとは思っていなかった」という森田には、何が不調の原因なのか、よくわかっていた。それは"アプローチイップス"だ。
そのことを認めるにも認められなかったのは、「賞金女王」という呪縛にとらわれていたからだ。その肩書きとプライドが邪魔をした。森田が、今まで誰にも話したことのない本音を吐露し始める。
「私は感覚で、しかも点で打つタイプだから、イップスになりやすいと言えば、なりやすいんです。でも、そういうことを考えたことがなかったですし、(イップスに対する)恐怖心もありませんでした。だから、予期せぬ事態というか、最初はもう『どうしよう、どうしよう......』っていう感じでした。
だけど、『どうしよう』じゃあ、前に進めない。そこで、まずはその状況を受け入れて、次は何をしたらいいかを考えるようになりました。そうやって、今では段階を踏んで前に進めるようになってきたんです。最初は(イップスに陥ったことが)すごく恥ずかしかったんですよ」
まさか森田が、ここまで踏み込んだ話をしてくれるとは想像もしていなかった。しかも彼女は、自らが裸の王様ならぬ"裸の元女王"だったと告白したのだ。
4 / 7