2013.11.21

【ゴルフ】残り2戦。賞金女王を争う横峯さくらと森田理香子の「胸中」

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

 日本女子ツアーの2013年シーズンもあと2試合。白熱の賞金女王争いが面白くなってきた。

春先は絶好調だった森田理香子。初の賞金女王獲得なるか。 本命は森田理香子だった。開幕戦のダイキンオーキッドレディス(3月8日~10日)でプレーオフの末に横峯さくらを下して優勝すると、5戦連続でトップ10フィニッシュ。賞金ランクのトップを独走した。その後、一時は佐伯三貴にその座を譲ったものの、5月の中京テレビ・ブリヂストンレディスで今季2勝目を挙げてからは、ずっとトップの座に立ち続けてきた。

 永久シード選手で、テレビ解説などでもお馴染みの森口祐子プロは、春先の森田について「開幕戦から隙がないゴルフをしていた。今年の彼女は『やるな』と思った」という。

 予選落ちをするなど、調子を崩したときもあったが、すぐに盛り返してくるところが、今年の森田の強さだった。もちろん、ツアーの練習日に指導・助言をする、師匠の岡本綾子プロ(日米で賞金女王に輝いたカリスマ)の存在も大きかったに違いない。

 しかし、賞金ランクトップを維持する重圧はかなりのものだったのだろう。

 シーズン終盤のマスターズGCレディース(10月24日~27日)で、今季3勝目を挙げた賞金ランク2位の横峯が、一気に森田との差を縮めたときだった。森田は、記者たちから賞金女王レースについて水を向けられると、「そういうことは聞かないでください」と強い口調で質問を制した。

 それが翌週、今度は打って変わって、メディアに囲まれた森田はこう語ったという。
「(賞金女王に向けて)プレッシャーもかかりますが、下位にいたら(そういうことは)聞かれないわけですから、この先もずっとそういう質問をされるようにがんばります」

 人間は、わずか数日でこれほど心境が変化するものだろうか。そこには、おそらく”師匠”からの助言があったのだろう。師匠の岡本綾子はカリスマである。その言葉はとてつもない影響力を持つ。岡本を師と仰ぐプロは、誰もが岡本に心酔し、岡本のようになりたいと思っている。ゆえに、森田の対応は一変したのではないか。

 彼女は、岡本綾子のような気持ちの強さを持って、残りの試合を戦えるだろうか。これからの2試合で、その真価が問われる。