2013.11.18

【ゴルフ】石川遼2位。得意舞台で「成長の足跡」を示す

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 勝てた試合だった。石川遼は、過去2勝を挙げている三井住友VISA太平洋マスターズ最終日、首位の谷原秀人を猛追した。通算14アンダーでスタートした谷原が思うようにスコアを伸ばせない中、5打差で追う石川は前半9ホールで3バーディー(ノーボギー)を奪って、一気に差をつめたのだ。しかし後半、石川はふたつのボギーを叩いてしまい、結局、谷原に一打及ばず、通算12アンダー2位タイで終えた。

三井住友VISA太平洋マスターズに挑んだ石川遼。最終日にスコアを伸ばして2位タイでフィニッシュした。 舞台は、相性抜群の静岡・太平洋クラブ御殿場コースである。ホールアウト後、石川は連覇を逃した失望感より目標としていた「16アンダー」を達成できなかったことをまず悔いた。

「昨年、自分の優勝スコアが15アンダーだったので、『16』という数字を目指していました。(今回の結果は)優勝に1打差とはいえ、自分の目標に届かなかった。そのほうが優勝を逃したことよりも悔しいですね。今日は後半、特にトリッキーな風が吹いていた。そこで、前半のような、風に惑わされないスイングができなかった」

 最近の石川は、上位争いに加わってもかつてのように「優勝を狙う」というような発言は一切なく、大会毎に目標スコアを掲げ、そのノルマをクリアしていくことを自身に課している。すでに新シーズンが始まった米ツアーの第2戦、シュライナーズホスピタルオープン(10月17日~20日/ネバタ州)でも、「4日間で16アンダー」を目指し、そのノルマを達成することで、2位タイに食い込んだ。

「どのコースに行っても、一日4バーディーを最低限の目標にしている。時によっては、4バーディーが最高の目標になるかもしれませんけど......。たとえ(コースセッティングの難しい)全米オープンや日本オープンでも、一日4バーディーを目指していくことが、好結果につながっていくと思っています。一日18ホール回れるわけですから、せめてそのうち4つは取ろうと」

 いたずらに優勝を口にするよりも、足もとを見つめて優勝争いを続けることで、いつか"その日"は訪れる。その日とは、無論、米ツアーでの初優勝であり、将来のメジャー制覇だ。それを確信するからこそ、今季3戦目の参戦となる日本ツアーでも、石川は米国で戦う姿勢を貫こうとした。今の彼ならば、たとえ国内で優勝したとしても、ノルマを達成できなかったならば後悔の念を口にするかもしれない。