2013.08.29

【ゴルフ】外国人記者が綴る「松山英樹は『お山の大将』ではない」

  • アンドリュー・ボス●文 text by Andrew Both武川玲子●翻訳 translation by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

今季、プロデビューを果たした松山英樹。国内では早々にツアー優勝を飾り、海外メジャーでも好成績を残した。さらに、わずか7試合の出場で来季の米ツアーシード権を獲得。日本では「怪物ルーキー」と称され、日本人初の海外メジャー制覇も期待されている。しかし、海外メディアからは松山の存在はどう見られているのだろうか。そこで今回、米ツアーに精通する外国人記者に、松山の資質と将来性について特別寄稿をお願いした。
松山英樹は、海外メディアではどう評価されているのか。
 松山英樹のことは、同じ日本人で、21歳と同い年の石川遼ほど、世界的にはまだ大きな注目を集めていないかもしれない。しかし、プロになったばかりの松山が、今季の海外遠征で見せたプレイぶりからは、石川よりも国際舞台でかなりの成功を収めそうな兆候が感じられた。

 石川が15歳で日本ツアーを制したとき、日本の国内メディアは大騒ぎになった。そしてその後、プロ入りしてツアー9勝をあげた彼の姿に、ファンはもちろんのこと、各メディアが狂騒し続けたが、今やその騒ぎも沈静化しているようだ。

 そう、石川が今季本格参戦を果たしたアメリカPGAツアーで、成す術なく打ちのめされてしまったからだ。残念ながら、レギュラーシーズンのフェデックスポイント(PGAツアーのシリーズトーナメントの各試合で与えられるポイント)141位で終えた石川は、下部ツアー選手との入れ替え戦となるウェブ・ドット・コムツアー・ファイナルズ(4試合)にまわることになった。

 時代の寵児でもあった石川の不振と、彼が直面した現実は、日本の選手がいかに母国のツアーで成功しようとも、海外で成功できる(ゴルフ)とは限らない、ということを改めて強く印象づける結果となった。

 日本には以前、ジャンボ尾崎というスタープレイヤーがいたことは、誰もがご存知だろう。彼もまた、日本ツアーでは数十年にわたって頂点に君臨し、日本中を熱狂させていたが、海外ツアーで勝利したのは、わずかに1回。ニュージーランドで開催された小さなトーナメントだけだ。

 確かに、ジャンボの場合は、米ツアーを主戦場として戦ったことはない。日本ツアーで彼と戦った多くの外国人選手が、「(ジャンボが)米ツアーに挑戦すれば、きっと成功しただろう」と口をそろえていたことを考えれば、もしかしたら海外でも活躍できた可能性はある。が、今となっては証明しようのないことだ。

 そうした状況を踏まえて、日本のゴルフファンは、国際舞台で飛躍してくれる日本選手の登場を願っているに違いない。