【ゴルフ】石川遼、復活宣言。「今の自分なら、世界で戦える」

  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva
  • photo by Getty Images

 アメリカPGAツアーのレギュラーシーズン最終戦となるウィンダム選手権が、ノースカロライナ州のセッジフィールドCCで開催され、来季の米ツアーシード権獲得を目指す、石川遼と松山英樹が参戦した。

 1週前の全米プロ選手権を19位タイで終えて、来季のシード権をほぼ手中に収めていた松山は、同トーナメントでも堂々たるプレイぶりを披露。トータル8アンダー15位でフィニッシュした。今季の獲得賞金をさらに上乗せして、賞金ランキングは105位相当に浮上。例年、125位以内に与えられるシード権を確定させた。 

「(来季米ツアーの)シード権がとれて、目標は100%達成できた。でも、自分の思ったプレイができたかというと、物足りないところもある。(米ツアー参戦に向けて)やるべきことは多い。体作りはもちろん、ショートゲーム、飛距離......と、言い始めたらきりがない。(今回の米ツアー参戦で)思ったよりも、世界との距離は遠いことがわかった。ゆっくりと時間をかけて、上にあがっていければいいと思っています」(松山)

アメリカという舞台にも「慣れた」という石川遼。最近のプレイぶりは自信に満ち溢れている。アメリカという舞台にも「慣れた」という石川遼。最近のプレイぶりは自信に満ち溢れている。 一方、今季から米ツアー本格参戦を果たした石川は、最終日に3つスコアを伸ばして順位を上げたものの、通算5アンダーの26位タイ。賞金ランキング(149位)、フェデックスポイント(141位※PGAツアーのシリーズトーナメントの各試合で与えられるポイント)ともにシード圏内の125位以内に届かず、レギュラーシーズンでのシード権確保はならなかった。

 この結果、石川は8月29日から(9月1日まで)第1戦が始まる下部ツアー選手との入れ替え戦、ウェブドットコムツアー・ファイナルズ(計4試合)に向かうことになる。同シリーズには、フェデックスポイント126位~200位までの75人と、下部ツアーの上位75人、計150名が出場。そこで、25位以内(下部ツアーの賞金ランク25位以内の選手は除く)に入れば、来季の米ツアーのシード権が獲得できる。

 まさにがけっぷちの戦いとなるが、石川に戸惑いは見られなかった。ウィンダム選手権に臨む前から、入れ替え戦をしっかりと見据えて、その準備を整えていたからだ。

「レギュラーシーズンの最終戦とはいえ、試合に挑む気持ちは他の試合と変わりません。シード権を得られていないことで、焦りがない、ということはありませんが、試合になれば、そうしたことは気にならないし、逆に追い込まれた状況にあるほうが、(自分は)集中力が上がるのかな、と。先週の全米プロ選手権がまさにそうで、すごく集中してプレイすることができました。今年は5月のバイロンネルソン選手権でトップ10に入りましたけど、そのときよりもいいゴルフができたように感じました。自分の心の中がクリーンになって、(自分が)やっていることは間違っていないんだな、ということも実感できた。そういう意味では、非常に価値のある試合でした。そのゴルフを今週も続けたい。現実的に考えて、自分はこのあと、入れ替え戦の4試合にいくと思っている。その覚悟がある。大事なことは、そこで安定した成績を残すこと。そのうえで、来年の米ツアーの出場権を得る、ということが重要。そのためにも、今やっているゴルフを変わらずに続けて、その流れを次(の試合)につなげていきたい」

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