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サッカー日本代表の事前合宿地は大丈夫? 麻薬カルテルが跋扈するワールドカップ開催国メキシコの現在

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Akiko Tonegawa

 ワールドカップが近づき、大会に関する報道も増えてきた。だがそれらの話題のほとんどはアメリカに関するもので、メキシコとカナダの話はあまり聞こえてこない。

 今回のワールドカップはもともとアメリカのものだった。知らない人も多いかもしれないが、2018年にFIFAからワールドカップ2026の開催権を与えられたのはアメリカだった。しかし、出場国を32チームから48チームに拡大したため、アメリカはメキシコとカナダに開催の枠を提供した。試合の70%以上がアメリカで行なわれるのはそのためだ。

 しかし、いずれにせよ3カ国共同開催の大会であることに変わりはない。そして現在、アメリカの置かれた状況は「順風満帆」とは言い難い。イランとの戦争は終わりが見えず、運営面、資金面で多くの問題を抱えている。では、日本が第2戦を行なうメキシコの状況はどうなのだろうか?

日本がチュニジアと対戦するモンテレイの「エスタディオBBVA」 photo by Kazuhito Yamada/Kaz Photography日本がチュニジアと対戦するモンテレイの「エスタディオBBVA」 photo by Kazuhito Yamada/Kaz Photography ワールドカップ2026の開幕戦、メキシコ対南アフリカ戦は、6月11日、メキシコシティの「アステカ・スタジアム」で行なわれる。この時、メキシコはある記録を打ち立てることになる。メキシコは史上初めて男子のワールドカップを3回開催した国となり(1970年、1986年、2026年)、「アステカ・スタジアム」は世界で唯一、ワールドカップの開幕戦を3回開催したスタジアムとなるのだ。

 現在の「アステカ・スタジアム」は8万3000人の観客を収容し、今回は開幕戦を含めて5試合が開催される。かのディエゴ・マラドーナの「神の手ゴール」が生まれたのもこのスタジアムだ。

 ワールドカップに向けた改修工事を終え、ピッチも刷新され、こけら落としとして、4月19日、ブラジル対メキシコのレジェンドマッチが開催された。ロナウジーニョ、カカ、アドリアーノ、ラファ・マルケス、アンドレス・グアルダードをはじめ、両国のスター選手たちがピッチに立った。試合は3対2でメキシコが勝利を収め、ブラジルの得点は"皇帝"アドリアーノとカカが挙げた。

 ただ、大会を目前に控えたメキシコの空気は平穏なものとは言えない。大小の問題が噴出している。

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