サッカー日本代表の事前合宿地は大丈夫? 麻薬カルテルが跋扈するワールドカップ開催国メキシコの現在 (4ページ目)
【もうひとつの開催国カナダは?】
大会期間の約40日間、観光名所のパルケ・フンディドーラではファンフェスタが開催され、200万人以上が訪れる見込みだ。ただ、メキシコで一番安全な町にも問題はある。通常なら1泊200ドル(約3万1000円)程度のクラスのホテルの価格が800ドル(約12万4000円)へと大幅に上昇しているのだ。これは日本のサポーターにとっても頭の痛い問題となるだろう。
ちなみに、もうひとつの開催国であるカナダの状況はメキシコとは大きく異なる。
カナダには未完成の工事も、暴力もない。トロントでは、市中心部にある「BMOフィールド」で6試合が開催される。よくカナダはサッカーに興味がないと言われるが、そんなことはない。トロントは世界で最も多文化な都市のひとつで、大会への熱気は高まっている。
それでも、種類のまったく違う問題は起きている。
たとえばバンクーバーでは、カナダ代表戦を含む7試合が行なわれるが、FIFAは舞台となるスタジアム「BCプレイス」の周辺2キロメートルを「美化区域」に設定した。そして「美化区域」のなかには、市内で最もホームレスが多いダウンタウンのイーストサイド地区が含まれていた。
今、市は彼らを追い出しにかかっているという。あるホームレスの男性は、地元紙『グローブ・アンド・メール』の記者に対し、「スタジアムから最低2キロは離れるよう言われた。ホームレスが立ち入れない区域を作っているのだ」と語っている。
また、この地区の貧しい人たちが滞在する格安ホテルは、大会中に閉鎖されることになり、そうすると約300人が住む場所を失う。「人権問題だ」と市議会で問題にもなっているが、いまだ具体的な対応策は決まっていない。
ワールドカップは世界的な祝祭だ。しかし開催国での現状からはそのワクワク感が感じられない。一部の国ではワールドカップのボイコット運動さえ起きており、いつものような高揚したムードは失われている。大会は6月11日に開幕する。
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