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【プレミアリーグ】ミケル・アルテタ流最強アーセナルのつくり方 際立つ「改善へのこだわり」 (4ページ目)

  • アルトゥル・レナール●文 text by Arthur Renard
  • 山中忍●翻訳 translation by Shinobu Yamanaka

 アルテタがファン・ローンと指導をともにしたユースチームには、エミール・スミス・ロウとダニエル・バラードもいた。前者は、ケガに泣かされたアーセナル時代に別れを告げ、フルアムのトップ下として活躍中。後者も、プレミア復帰1年目にしては上出来の12位で3月の声を聞いたサンダーランドのディフェンスラインの中央で要となっている。

 1軍監督としてのアルテタは、アカデミー卒業生の登用にも積極的だ。好例として、今や右ウイングに欠かせないブカヨ・サカ、昨季に17歳でデビューを果たした左SBマイルズ・ルイス・スケリーがいる。MFのイーサン・ヌワネリは、今年1月に18歳でマルセイユ(フランス1部)へと修行に出た。翌月、レンタル移籍先での監督交代という逆風が吹く結果となったが、まだアーセナルでは出場機会が限られてしまう逸材に対し、プレミアでも実績のあるロベルト・デ・ゼルビが率いていたチームへの加入は、アルテタが推した今期末までの成長促進策だった。

「ミケルは、選手やスタッフのやる気に火をつける術も心得ている。モチベーションを高めて、最大限の力を絞り出すことができる監督だ」

 ファン・ローンがそう評価するアルテタのもとで7年目となるチームに、アーセナルのサポーターたちは、2003-04シーズン以来となるリーグ優勝を願ってやまない。切実な望み、換言すれば重大な責任を託されている指揮官を知るファン・ローンは、最後にこう言っていた。

「ミケルがテクニカルエリアで指示を叫ぶ姿を、頼もしく思いながら眺めさせてもらっているよ。その瞬間、どんな考えが彼の脳裏をよぎっているのかがわかるからね。彼は、賢明な男だ。一個人としても、ひとりのプレミア指揮官としても。だからこそプレッシャーのもとでも、やるべき仕事をこなしてみせる。現役のキャリアでも、ずっとそうだったように」

ミケル・アルテタ
1982年、サン・セバスティアン生まれ。現役時代はレンジャーズ、レアル・ソシエダ、エヴァートン、アーセナルでプレー。引退後、マンチェスター・シティのコーチを経て、2019年、アーセナルの監督に就任。

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