【プレミアリーグ】ミケル・アルテタ流最強アーセナルのつくり方 際立つ「改善へのこだわり」 (3ページ目)
【アカデミーから若手を登用】
加えて、監督としても向上心が旺盛なアルテタは、成果が得られたとしても、自己分析を怠ることがない。ファン・ローンはそれを「自己への挑戦」と表現する。
「組んだ練習メニューに関して、反省を口にすることも多かった。『こうすればよかった』とか、『ああしたほうが、もっと効果的だった』とか。私はよく、『まあまあ、別にうまくいかなかったわけじゃないのだから』と、自分に厳しいミケルに言っていたのだけどね(苦笑)。彼は、些細な部分でも修正を加えたがっていたよ。もっとうまくやれるはずだという、自信があるからこその厳しさなのだろう。指導者としても、純粋にベストを尽くしたいと願っていることが伝わってきた」
アルテタが見せる改善へのこだわりが窺い知れる例として、ファン・ローンはダミー人形の配置に触れた。
「パスやシュートのドリルひとつをとっても、目的とする意図があるわけで、それに沿ってダミー人形を置くことがある。そこでミケルは、ダミーの横に立って『いや、もう1メートル前に置かなきゃダメだ』と、位置を変えたりするのさ。『自分がMFなら、ここにはいない』のようなことを言いながら。そうかと思えば、配置を再確認したあとで、ダミーをひとつ取り除いたり、逆に加えたりすることもあった」
そうした"実習生"の姿を前に、ファン・ローンは、「並の監督で終わる人物ではない」と感じていたという。
「当時から、『プレミアのトップチームを任される日は遠くない』と、誰もが思っていたことだろう。現役時代の名声があることは事実だが、指導者としてのチャンスは、あくまでも自らの努力で手にしたものだ。古巣に戻ってみたら用意されていた、というようなものではない。現役時代の終盤から準備を始めて、地道なステップを重ねながら監督としてのキャリアを自ら求めて、自分を磨き続けているからこそ、今のミケルがある」
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