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サッカー日本代表とは大違い ワールドカップ優勝候補アルゼンチンは「消化試合」をいかに戦ったか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 ただ、アルゼンチンは全力で久保を消してくるはずで、日本はシメオネに対して同じことができるか。チーム力の差だ。

 アルゼンチンの獰猛さや抜け目なさは南米特有で、日本人は苦手とするだろう。アルバレスやラウタロ・マルティネス(インテル)が、どんな体勢からも打ち込んでくるシュートを防げるか。また、ひとりひとりのディフェンダーがタフでしつこいなか、日本のアタッカーはシュートまで持ち込めるか。たとえ技術で上回っても、ギリギリで体を張ってくる相手にかなり手こずるはずだ。

 日本の難しさは、代表レベルで相応の鍛錬ができない点にもあるかもしれない。

 アジア最終予選の最終戦で日本はインドネシアと対戦したが、"かませ犬"にもならなかった。日本は出し手も受け手も、ほとんど自由にプレーできていた。たとえば6点目は、サイドを駆け上がる俵積田晃太が無人の野を行くが如し、だった。ペナルティエリア内の日本人選手もシューターが立て続けにフリーになっていた。

 世界の強豪との戦いで、こんなことは決して起こらない。

 インドネシアは、かつてのオフトジャパンの発足当時の日本に近いか。スペインのような国のクラブチームに胸を借りたら、4部相手でも勝ちきれない。技術的、戦術的、体力的、あらゆる点で未熟だった。

 つまり、消化試合ひとつとっても、アルゼンチンと日本では大きな差がある。アルゼンチンは、チリ、コロンビア戦を乗り越えて強くなっている。一方で、日本はオーストラリアに敗れ、不具合があぶり出されたが、インドネシア戦の大勝でその不具合は覆い隠されるだろう。

 日本は常に世界と戦うイメージを失ってはならない。厳しく自省できるか。さもなければ優勝はもちろん、過去最高のベスト16も危うい。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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